2012年5月15日火曜日

ストレス対処マニュアル


 本マニュアルは、金融危機や自然災害など、様々なストレスと戦う現代人のために書かれたものです。

 今日の金融危機によって、世の中が大きく変化していることが明らかになりました。つまり、他人を犠牲にしても自分の利益を追求する姿勢から、他人の権利を大切にするバランスの取れたシステムに移行しつつあるということです。現在のシステムは、協調や公平といった価値観からずれています。多くの人が希望を持てなくなっています。物事が正しい方向に向かおうとすることが、不幸にも、ストレスと経済不況の原因となっています。

 このような辛いことを経験するとき、感情はいくつかの過程を通ります。まず、ショック、怒り、非難、失望、悲しみなどを感じる時期です� ��この時期には痛みを伴いますが、辛い感情を隠さずに認めることで、心に受けた大きなショックを振り払うことができます。この時期が終わると、心を開くことが楽にできるようになります。そして、自分の力で物事に対処する力と、前に進む自信を取り戻すことができます。このプロセスは、ストレスの状況や個人の性格によって異なります。

 しかし、本マニュアルを参考に、誰でも、ストレスに対処する力を高めることができます。

 気持ちを変えましょう

 例えば、現在の経済危機のような大きな危機が起きたとき、まず、ストレスに耐える力は激減します。それから、打ちのめされた気分になり、物事に対応できなくなります。

 そのようなときは、まず、ショック、悲しみ、怒りを感じ� �、静かに座っている時間が必要です。どんなに時間がかかろうとも、私たちは自分の体が大切だということに気がつきます。そして、ストレスから受けた影響を減らそうとし始めます。

 経済的な困難やさまざまな不安を突然消し去ることはできませんが、ストレスが健康に悪影響を及ぼさないように、気持ちを変えることはできます。これから示す実践的な方法を試すことで、ストレスの影響を減らすことができます。気力の消耗を防ぎ、自分や家族に必要な助けをどうやって得たらよいかがよりはっきりとわかるでしょう。

 これから、ストレスに対処し、前に進むために気持ちをリセットする実践的な方法をお教えしましょう。

1.人と付き合いましょう。

 まず、あなたの感� �を誰かと共有したり、あなたと同じ経験をした人たちと付き合うことが大切です。それから、誰かの心配をして、その人を支えてあげましょう。こうすることで、あなたは自分の心をもう一度開き、心の強さと感情のバランスを取り戻すことができます。皆で一緒に泣いたり笑ったりすることは、とても大事なことなのです。

 人々が集まると、集団のエネルギーが生まれます。皆で協力し合うことで、目の前の問題に対して効果的な解決法が生まれやすくなることが知られています。

 あなたの周りにもきっと、あなたと同じ問題を抱える人々のグループがあります。問題を抱えたときには、誰にもそばに来て欲しくないという人もいるでしょう。しかし、人との付き合いには、健康を害するストレスを軽減する効果がありま� ��。インターネットのチャットやブログ、さまざまなサービスを利用するのもよいでしょう。

2.心をもう一度開きましょう。


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 心をもう一度開くことで、安心感と自信が次第に戻ってきます。最初の段階で、特にショックや怒りを感じているときに、感情が先に進めないのは当然のことです。私たちの心は、怒りや不安、絶望から立ち往生してしまうことがあります。これは理解できることです。しかし、心をもう一度開くことがとても大切です。

 心をもう一度開くのによい方法は、人に親切にすることや、困っている人を助けてあげることです。どんな小さな親切でも、大きな違いを生み出します。これは、あなたの足元を確かにし、ストレスを減らす一番早い方法です。もし健康に問題があって、人と接することができないならば、心の中で人を気遣ってあげればよいの� ��す。もし家を出られないなら、誰かに家に来てもらいましょう。それも無理なら、電話やコンピュータで交流を持つようにしましょう。

3.感謝しましょう。

 毎日の少しの時間でも、心からの感謝の気持ちを、人や物(例えば、子供、ペット、家族など)に送ることは、ストレスを減らし、感情のバランスを立て直すのに、とても役に立ちます。感謝の気持ちは、頭で考えるのではなく、心で感じることが大切です。これによって、ストレスが減少し、心を安定させる働きを助ける体のシステムが働きます。

4.悪いことを考えないようにしましょう。

 気力の消耗を防ぎ、不安を減らすのに、効果的な方法があります。それは、危機的な状況で、悪いことを考えないようにすることで す。私たちは、将来について悪いことを考えがちです。「十分に悪い」ことをさらに悪くすることを考えます。現在の状況にさらに悪いことを加えると、私たちの判断力は奪われてしまいます。

 人と話すとき、あまり悪いことを付け加えないようにしましょう。当然、あなたの感情を人に伝えるとき、少しマイナス面を付け加えてしまうことはあるでしょう。しかし、マイナス面を強調しすぎると、心と感情を消耗し、人と話した後に悪い感情が残るばかりで、物事の解決には結びつきません。

 やってみましょう
 心配や不安を繰り返し考えてしまったり、人との会話でマイナス面ばかり強調しているのに気づいたときは、静かにこう言ってみましょう。「済んでしまった事を考えても、何の役にも立たない」

� ��もし、私たちが怒り、心配、不安などを持ち続けると、ストレスホルモン、つまりコルチゾールやアドレナリン、が出続けます。この状態が長く続くと、心理的・感情的に不安定になって、健康状態も悪くなっていきます。悪いことを考えなければ、ストレスは減り、健康を害することはありません。

 時々、気持ちが後ろ向きになってしまうことがあっても、大丈夫です。気持ちを取り戻して、前に進みましょう。あなたの努力は、それがたとえ小さくても、意味があるのです。

5.祈りましょう。

 人を気遣ったり、人に感謝したりすることは、祈りの一つの形です。それは、心を穏やかにします。研究によると、人や物に、感謝や思いやりの感情を持つことは、ホルモンや免疫システムに大変よい効果 があります。感謝や思いやりを感じることで、神経システムや心臓の鼓動のバランスを整える助けにもなります。これは、同時に、感情や心理バランスを整え、不安やうつに役立ちます。


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 祈ると、もう一度希望を持てるようになります。希望が持てると、自信が次第に戻ってきます。皆、心の中には強さを持っています。ストレスで失われたその強さを、取り戻すことができます。人への深い思いやりや感謝を通じて心をもう一度開くことで、心の平穏を取り戻し、前に進むことができるのです。

6.心臓を意識した呼吸をしましょう。

 心臓の辺り、胸の中心を、息が出入りするイメージで呼吸しましょう。落ち着いて、バランスの取れた姿勢で呼吸して、自分を元気づけるために「タイム」をとっているあなたをイメージしましょう。

 このときのポイントは、落ち着いて� �バランスの取れた状態を作り出すことです。この落ち着きや安定感は、感謝の気持ちに置き換えても構いません。一度、この感覚を持てるようになれば、静かな場所でも、歩いたりジョギングしているときでも、会話中でも行うことができます。不安、怒り、軽いうつを減らすのに、本当に手軽な方法です。

 心臓を意識した呼吸は、世界中の医者や看護師によって指導されています。ストレス、怒り、不安、気持ちを感じたときは、いつでも役立ちます。

7.眠りましょう。

 ストレスを感じるときに、眠りはとても重要です。しかし、多くの人々はストレスのせいでよく眠ることができません。薬に頼る人が増えていますが、他の方法も試してみましょう。

 寝る前に、5分間静かにリラックスした 姿勢で呼吸してみましょう。インターネット上では、エクササイズやストレッチなど、よく眠れるようにいろいろな方法が提案されています。何が効くか試してみましょう。合わないものを無理にやる必要はありません。もし薬を飲まなければならないなら、少ない量でも効くか、量を減らしてみましょう。

 大切なのはよく眠れなくても、眠れるだけ眠って、そのことについて深く考えないことです。いつまでも睡眠について考えていると、気力を消耗し、問題を増やすだけです。自分が考え込んでいることに気づいたら、考えることを変えるようにしましょう。

8.エクササイズしましょう。

 エクササイズも効果的です。不安を感じているときには、エクササイズする気にはならないものです。わたし� �自分でやってみるまではそうでした。しかし、やってみるとすぐに、不安と緊張を取り払うには、大変効果的だとわかりました。エクササイズは、ストレスの原因を取り除いてくれる訳ではありませんが、ストレスに対応する力を高めてくれます。

 考えを整理し、感情を安定させるために、全身を鍛える必要はありません。心地よいエクササイズを見つけ、そのエクササイズの時間中、少しだけ心拍数が増えるようにしましょう。エクササイズ中は、悪いことを考えないようにしましょう。また、エクササイズ中に、心臓を意識した呼吸法(6参照)を実践すれば、感情を整え、心を落ち着けるのに役立ちます。マイペースで安定を取り戻し、前に進む決心ができるでしょう。

9.今と過去を比べないようにしましょう� ��


誰がヒップホップを作った?

 大きな変化を受けた後で、昔と今の生活を比べないようにするのは難しいことですが、なるべく比べないようにしましょう。怒りを表し、失望から立ち直るのにかかる時間は人によって異なります。その時間は誰かに決められるものではありません。なぜなら、心の痛みの回復は、スケジュールで決められるものではないからです。

 私は個人的な経験から、悲しみの期間を過ぎても、常に今と過去を比較することで、痛みと落ち込みがずっと続いていることに気がつきました。「昔と比べても何の役にも立たないよ。前に進むためにエネルギーを使うときだよ」 最初は大変でしたが、自分に素直になって、一歩を踏み出すときだと思いました。

1 0.不安を減らしましょう。

 悪いことを考えると、不安は増します。この経済危機を受けて、何百万の人がどうして未来への不安を持たずにいられるでしょう。また、現代は、何をしたらよいか、ニュースやインターネットで多くの意見が対立し、常に混乱しています。不安は私たちを取り囲んでいます。不安な状態が長く続くと、ホルモンや免疫システムに害を与えます。

 不安と用心は、別のものです。不安は精神を抑圧し、人との心のつながりが鈍くなります。正しい判断が難しくなります。用心は、バランスを保ちながら、注意深く、はっきりとした判断ができます。用心は、精神的、身体的に健康状態がはるかによい状態です。

  やってみましょう―1―
 このように自分に言ってみましょう。
 「どうしてこんなに不安なのか自分にはわかっている。でも、気力は消耗するし、健康のリスクが高まるし、はっきりした意思決定ができない」
 「不安に押しつぶされるのはもうたくさんだ。自分の健康や周りの人のためにもっとよい状態に変える準備はできている」
  「不安が全部なくなるとは思わないけれど、せめて不安を減らして、バランスの取れた状態になりたい。不安を減らすために何かすれば、もっと気持ちが楽になるし、前に進むために心を解き放つことができる」

 これを一日に一度読んでみましょう。また、実際に何が変わったかは気にしないことが大切です。

 やってみましょう―2―
 静かに座って、心臓を意識した呼吸を繰り返し、しなければならないことをできる勇気と強さを持っていることをイメージしましょう。一日に何度か、また不安を感じたときはいつでも、数分、これを行いましょう。

11.家族と過ごしましょう。

 家族が抱えているストレスについて、家族内で隠さずに話し合いましょう。感情を封じ込めたり、ストレスを押さえ込まないことが大切です。子供には、よく説明しましょう。子供は大人が経験しているストレスの深さを理解できないからです。子供のそばではできるだけ明るく前向きに過ごしましょう。今は辛いけれど、ここからいつか抜け出すことができると、安心させましょう。大変なときでも、家族と常にコミュニケーションをとりましょう。

 自分を責めてはいけません。危機を回避するために取れた手段について、何度も考えてはいけません。思わぬ事件や変化に巻き込まれることは誰にでもあります。だから、気を楽にしましょう。「ああすればよかった」と後悔していると、なかなか前に進めません。


12.自分宛に手紙を書きましょう。
     (次の手紙を自分の状況に合わせて変えて使ってもよいでしょう)

 手紙を書くことで、現状を認識します。そして、前に進んでいく決意をしましょう。

 親愛なる私へ
 私が今経験しているストレスの原因は私にあります。でも、私の状況だったら、誰でも同じでしょう。自分のストレスが増えているのは気がついています。それは、こんな心配があるからです。たとえば、落ち込んでいる間にも、私自身と家族のために、生き残るための選択をしなければならないこと。よく寝られなくて、寝ても十分な深さの睡眠ではないこと。望みのない将来についてくよくよと考えてしまうこと。職を失う不安、ローンの不安、定年後の生活保障、など。(ここには、あなたの状況に合わせて不安なことを書いてください)

 このストレスがなくならないことはわかっています。でも、私は、このような心配事に何時まで関わり続けるほど弱い人間ではありません。私の健康と家族、将来のために、私の力� ��取り戻し、前に進むときだと感じ始めています。将来への不安をすべて取り除くことはできないでしょうが、小さな一歩が、やがて実を結ぶときが来るとわかっています。

 過去には、もっと強さが必要なこと、自分を奮い立たせて進まなければならないことがありました。もう一度私にはできるはずです。過去のことは考えず、明るい将来をもたらす変化を起こすようにします。人と協力することを楽しみにし、人からの援助をもっと積極的に受け入れるようにします。確実に一歩、前に足を出すようにします。私は、自分がすべきことを実行できます。傷つき、眠っていた私の強さが戻ってきました。私はもう大丈夫です。

 最後に、経済不況や大企業の解雇・倒産、自然災害など、ストレスの原因は絶えることがありませ ん。人は以前と同じ生活を望みますが、起きてしまったことを認めて、気力の消耗を防ぐことが大切です。温存したエネルギーは、今後必要なことを整理するために使いましょう。皆で協力し合い、お互いを思いやる気持ちを持てば、気力の消耗や気持ちの落ち込みから、より早く立ち直ることができます。

 ストレス解消の方法はここに挙げただけでなく、インターネットや身近なアドバイザーなどからも得ることができます。あなたに合った方法を探して、ぜひやってみてください。

 困難が多く、忍耐を必要とされる今日ですが、私たち皆にとって公平でバランスの取れた未来が訪れようとしています。



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